日本とドイツのリサイクルに対する考え方の違い
〜リサイクル先進国ドイツの視察を通して〜 Vol.3

第三回目となるドイツと日本の比較コラム、今回は、リサイクルに
対する両国の文化的背景の違いというテーマでお話をしたいと思います。

第一回ではリサイクルにおける両国の考え方の違いを、第二回ではドイツのリサイクルに関する制度設計をご紹介しました。

最終回となる今回は、リサイクルそのものに関する事柄ではなく、日常的な風景から垣間見える両国の違いを考えてみます。

「おもてなし」と「サステナビリティ」:日本とドイツの買い物文化の違い

日本では2020年7月1日よりレジ袋が有料化され、スーパーではエコバッグを携えた買い物客をかなり多く見るようになってきました。

1袋数円という低価格で販売されているレジ袋ですが、以前には当たり前に貰えていたものが有償になるというインパクトはとても大きかったように感じています。

ふと考えると、日本ではコンビニでお弁当を買えばプラ袋入りの割り箸やフォーク、プラ袋入りのお手拭きが当たり前のように貰えますし、スーパーに陳列された肉や野菜はそれぞれパッケージングされています。

こうした習慣や文化は、清潔で綺麗好きの日本人にとっては当たり前のものではありますが、環境負荷という観点で見ると好ましいものではないのかもしれません。

一方、ドイツのスーパーでは全く異なる様子を見ることができます。

まず、ドイツに限った話ではないかもしれませんが、肉や野菜は量り売りが基本です。そして量り売りコーナーには紙袋や再使用できる有料の袋が置かれています。

また、チョコレート等のお菓子類でも紙製の包装が多くみられ、プラスチックの個別包装はできるだけ使わずに済むシステムが採用されています。

ドイツにおいては、リサイクルよりもまず削減(Reduce)や再使用(Reuse)を行うという姿勢をありありと感じる一コマでした。

日本には現代においても「おもてなし」という文化が根強く残っており、買い手に不便や不快を与えないよう念入りな配慮がなされます。

これは日本の素晴らしい文化であり、未来にも受け継いでいきたいものであると感じます。

その点、量り売り等のドイツ方式では買い手の手間というのが大きいように感じるものの、必要な量だけ買うことができ、売り手の工数削減にもなり、余分な包装材もいらないという意味では、やはりここでも合理化によって環境負荷の面でもポジティブな作用が働いていると感じました。

最後に

全三回でお送りしたドイツの日本の比較コラム、ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。

年内にもまだ海外視察の予定が入っておりますので、国によるリサイクルの現状やその違いをその都度お届けできればと思っています。

次回からも是非ともチェックして頂けたら嬉しいです。